子どもたちに伝えたい『投資という選択肢』

将来への備え

子どもたちには、『投資という選択肢』を早いうちから知ってほしい。

そんな思いから、子ども用の証券口座を開設し、実際に少しずつ運用し始めました。

今回は、そのきっかけと、私たちが実際にやっていることをご紹介します。

子どもとお金について考えるうえで、少しでも参考になれば嬉しいです。

※本記事は筆者の体験や調査に基づき作成したものであり、特定の金融商品や投資手法を推奨するものではありません。投資に関する判断は、ご自身の状況や目的に応じて、十分にご検討のうえで行ってください。未成年口座の運用に関しても、制度の詳細やリスクについては、必ず各金融機関や公的機関の情報をご確認ください。

子どもたちに『投資という選択肢』を伝えたい

なぜ「投資という選択肢」を子どもたちに伝えたいと思うようになったのか。

まずは、私自身の経験をもとに、その理由をご紹介します。

“投資=ギャンブル”だと思っていた誤解

30歳になるまで、投資を全くせず、お金はすべて銀行貯金していました。

実家では誰も投資をしておらず、私自身も「投資=ギャンブル」という印象を持っていました。

勝てば大儲け、負ければ大損。そんなイメージです。

損だけはしたくなかったので、正直、投資は自分には合わないものだと思っていました。

そんな私が変わるきっかけになったのは、妻が投資を始めたことでした。

それ以来、私にも何度も勧めてくるようになりました。

正直、本当にお金が増えるのか疑問で、最初は何度も断っていました。

それでもあまりに熱心だったので、

リスクの低い投資信託を選んでもらい、試してみることにしました。

選んでもらったのは「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」で、毎月1万円ずつ投資を始めました。

国内外の株式・債券・リート(不動産)に幅広く分散投資できるバランス型の投資信託です。

出典:交付目論見書「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」(使用開始日 2025.1.25)

毎月1万円なら、万が一無くなっても、生活への影響は小さいからです。

投資を始めると、少しずつ投資そのものに興味を持つようになりました。

定期的に価格をチェックするようになり、日々の変動の大きさを実感できるようになりました。

また、本やYouTube、ネットなどを通じて、自分なりに投資について学ぶ機会も増えていきました。

その中で、次のような歴史的な事実も知りました:

①広く分散された株式は、長期的には右肩上がりで成長してきたこと


出典:ジェレミー・シーゲル, ジェレミー・シュワルツ著, 林 康史, 藤野 隆太監訳, 石川 由美子, 鍋井 理沙, 宮川 修子訳『株式投資』第6版 日経PB(2025年, P5)

②20年近く運用すれば、元本割れのリスクは低いこと


出典:ジェレミー・シーゲル, ジェレミー・シュワルツ著, 林 康史, 藤野 隆太監訳, 石川 由美子, 鍋井 理沙, 宮川 修子訳『株式投資』第6版 日経PB(2025年, P45)

こうした学びや、実際の投資体験を重ねる中で、投資を始めて2年ほど経った頃には、

将来使うお金は、現金で保有するのではなく、投資で運用しておく方がよい

と身をもって理解できました。

同じ後悔を子どもたちにはしてほしくない

このような経験を通じて、

20代のうちに貯めたお金は、もっと投資に回しておけばよかったと、今では後悔しています。

子どもたちには、同じような後悔をしてほしくありません。

社会人になる頃には、

分散された株式への投資は、短期的には元本割れのリスクはあるが、長期的には成長が期待できる

ことを理解した上で、必要に応じて、投資を選択できる力を身に付けてほしいです。

そのために、早いうちから、次のような経験を重ねるのが大切だと考えています。

  • 日々の株価の変動
  • 定期的に発生する株価の暴落
  • 長期的な株価の上昇傾向

子ども用証券口座で実践する

ここからは、子どもたちに投資を伝えるために、私たちが実際に行っていることをご紹介します。

私たちのNISA口座を使用しない理由

子どもたちに、投資に慣れてもらうには、

お年玉やお祝い金など、今すぐ使わないお金で、実際に経験してもらうのが一番です。

運用口座には、次の2種類があります:

  • 親名義ののNISA口座
  • 子ども名義の口座

NISA口座の最大のメリットは、投資で得た利益が非課税になることです(本来は約20%課税)。

ただし、NISA口座を開設できるのは18歳以上なので、子ども名義の口座では利用できません。

そのため、金銭的には、親名義のNISA口座で運用した方がお得です。

しかし、子どもたち自身に投資をしている実感を持ってほしかったので、

子ども名義の口座で運用することにしました。

メリットデメリット
親名義ののNISA口座利益が非課税になる子どもが投資を実感しにくい
子ども名義の口座子どもが投資を実感しやすい利益に税金がかかる

楽天証券での口座開設

私たちは楽天証券を使っているので、子どもたちの証券口座も同じ楽天証券で開設しました。

手続きの流れは、大まかに次のとおりです:

1. 口座申込手続き
  1. 楽天証券のサイトから「未成年口座申込」をクリック
    (※親が楽天証券の口座を持っていることが前提です)
  2. 家族構成の選択
  3. 口座名義人(子ども)の情報を入力
  4. 親権者の同意
  5. 住民票のアップロード
  6. 口座名義人(子ども)のマイナンバーの入力
2. 審査完了後、ID・パスワードの郵送受取
  1. パスワード/暗証番号の設定
  2. 投資に関する質問に回答
  3. 勤務先の登録
  4. 国籍の登録

※詳しい手順は、楽天証券の公式サイトをご確認ください

子どもに贈る投資商品

子どもたちには、オルカンで投資を体験してもらいます。

オルカンは、正式には「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」という投資信託で、

私たち自身もメインで運用している商品です。

オルカンを選んだ理由は、次の3つです:

理由1:世界全体に分散投資できること

将来にわたって、どの企業や国・地域が大きく成長するかの予測は難しい
しかし、世界全体としては、これからも経済が成長していくと期待している

理由2:インデックスファンドであること

投資信託には、株価指数の動きに連動する「インデックスファンド」と、その指数を上回る運用成果を目指す「アクティブファンド」がある
しかし実際には、長期的に見てインデックスファンドの方がアクティブファンドよりも好成績を収めるケースが多い

出典:山崎 元, 水瀬 ケンイチ著『ほったらかし投資術』全面改訂 第3版 朝日新聞出版(2023年, P30)
理由3:運用コストが最安クラスであること

現在、運用コストは業界最安クラスの(2025年6月時点)である
オルカンを含む「eMAXIS Slim」シリーズは、「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」を明言している点も魅力

出典:eMAXIS Slim公式ページより

まとめ

投資を始めるまでは、「投資=ギャンブル」という印象があり、正直、投資にはあまり良いイメージはありませんでした。

しかし、妻に勧められて投資を始めたことをきっかけに、今では

将来使うお金は、現金で保有するのではなく、投資で運用しておく方がよい

と身をもって理解できました。

このような経験を通じて、「もっと早くから投資をしておけばよかった」と後悔しています。

子どもたちには、同じような後悔をしてほしくありません。

そんな思いから、子ども名義の証券口座を開設し、早いうちから投資に触れる機会をつくりました。

体験してもらう商品には、

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、通称「オルカン」を選びました。

オルカンは、世界中に分散投資ができるインデックスファンドで、運用コストも非常に低いからです。

お年玉やお祝い金など、すぐに使わないお金で少しずつ経験を重ねて、

将来的には、投資について正しく理解し、必要に応じて投資を選択できる力を身に付けてほしいです。

今回の記事が、子どもとお金について考えるうえで、少しでも参考になれば嬉しいです。

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